前回、2020年から実施される「大学入学希望者学力評価テスト(仮称)」に向けて、「子供の作文力」について記事にしました。→「リンク~2020年「大学入試改革」に向けて2「子供の作文力」と「公立学校の現状」~リンク」

今回、この内容に続いて「子供の頃に、夏休みの宿題でしたことがある人いませんか?」という「理科の自由研究」について記事を載せます。

4 「理科の自由研究」と「公立学校の現状」

私が、小学校の先生になったばかりの頃……………「理科の自由研究」を熱心にやってくる親子をバカにしていました。

提出された宿題を見ながら「こんな難しい内容、子供だけでできる訳がないじゃないか!!子供の宿題に親が手を出すなんて、バカみたいだな!!」と感じていたのです。「難しい実験」「難しい表やグラフ」「難しい考察」……………明らかに子供1人で、できる内容ではありません。「理科の自由研究」………良くできている作品は、全て「成績を上げるために、親がやっている」と捉えていたのです。

しかし、教師生活を続けるうちに、この考えは変わってきました。この「理科の自由研究」を提出してくる子供は、だいたいが頭が良く優秀なのです。特に「大学入試改革→大学入学希望者学力評価テスト(仮称)」に最も必要とされる「課題解決能力」が高いのです。

子供と一緒に、この自由研究を進めるということは、大変な労力が必要です。しかし、敢えてそこにチャレンジしているということは…………子供そっちのけで、親だけが宿題をやっているなんてことはないのです。このような親子は一緒に実験をして、楽しんでいます。「課題解決能力」を伸ばすために親子で協力して、しっかり宿題を進めているケースが多いのです。

私は、小学校生活6年間で「大学入学希望者学力評価テスト(仮称)」に向けて1番効果のある学習が、この「理科の自由研究」と考えます。

なぜか・・・・????

「前前回の記事」で載せた「大学入試改革」に向けての「理科(物理)において重視すべき学習のプロセス」の内容は、まさに「理科の自由研究」の学習と一致しているからです。

「理科(物理)において重視すべき学習のプロセス」

観察した自然事象の変化や特徴を捉え、そこから得られる情報を整理・統合しながら、問題を設定し仮説を立て予測し、それらを確かめるための観察・実験を 計画して実践し、得られた結果から傾向等を読み取ったり、モデルや図表等で表現したりするとともに、結果に基づき推論したり、改善策を考えたりすること。
※引用「文部科学省・大学入学選抜改革に関する資料」

どのぐらい一致しているのか????ここで「ダンゴムシの研究」を例にして、自由研究のだいたいの流れを確認してみてください。

① 自分で課題を見つける。

「ダンゴムシはどのような場所が好きなのだろうか?」

子どもが1番興味を持っている内容を課題にすることが重要です。前向きに楽しく研究を進めるために、自分で課題を決定するのです。そして、「研究の動機」について、しっかり作文して載せます。

② 実験の内容を考える。

「ダンゴムシ10匹を明るい場所と暗い場所の中間に置き、どちらに移動するか調べる。」

会話の中で「子どもが思いついたような気にさせること」が大切です。実は親が、実験内容を考えているのですが「これをやれ!!」……「あれをやれ……」では、子どもが伸びません。上手に誘導尋問して、自主的にやっているような気にさせます。

③ 実験結果の「予想と理由」を考える。

「ダンゴムシは石の下の住んでいるから、暗い方に移動するだろう。」

この作文が、1番子どもを伸ばします。「公立中高一貫校の入試問題」…………このような内容の作文が、すごく多いです。これからの受験………この能力が、大変役立ちます。

④ 調べたい事のみ条件を変えて実験を行う。(他の条件はそろえる。)

「調べたいこと以外の条件は揃える」………実験の基本です。

⑤ 実験結果を、表やグラフで表す。

折れ線グラフ、棒グラフ、柱状グラフ、円グラフ等、見る人が1番わかりやすいグラフで表します。

⑤ 実験結果を考察する。

「実験結果からわかることを、実生活と照らし合わせて文で表す。」

実験結果だけでは、研究に深まりが出ません。結果を、自分の経験をもとに色々な内容に広げていきます。

⑥ 考察をもとに更なる疑問点を生み出し、次の実験内容を考える。

「色、湿度、温度、迷路でのジグザグの進み方など」

ここが「自由研究」の1番楽しいところです。「へーーーこんな結果になるんだ!!」「次はこんな実験ができそうだ!!」………子どもと一緒に考えることによって、能力を伸ばします。

⑦ ③~⑥を繰り返す。

⑧ すべての実験結果を考察して、まとめる。

⑨ 参考資料などの出典を載せる。

このような内容を「デジカメ写真」「表やグラフ」を載せて、見る人がわかりやすいように、仕上げていきます。

どうでしょうか????「大学入学希望者学力評価テスト(仮称)」で問われる「特に問題を設定し仮説を立て予測し、それらを確かめるための観察・実験を 計画して実践し」「図表等で表現したりするとともに、結果に基づき推論したり、改善策を考えたりすること」等の能力が見事に「理科の自由研究」と一致しているということをご理解いただけたでしょうか。

この「自由研究」…………小学生にとって難しすぎる内容です。私の経験から…………普通の小学生だったら「課題」すら思いつきません。「課題」が思いついたとしても「どんな実験するの?」という質問に「可能な方法」「結果を導き出せる方法」が返答できる子供はクラスで2,3人でした。

そして、この「理科の自由研究」・・・・なななんと、5・6年生の学習内容として教科書に載っているのです。画像を載せます。

中学受験 理科自由研究

驚くべきことに、この教科書には「自由研究後に発表会をしよう」なんていう学習も載っています。

ここでです。今回の重要ポイントです。前回と全く同じオチでまとめます。

この学習内容・・・・日本中でどのくらいの子供が学校で、この「理科の自由研究」を完成させているのでしょうか????果たして「世界で1番忙しいといわれる日本の先生」が、このような学習を進めることができるのでしょうか????

文部科学省は・・・・教科書会社は・・・・いったい何を考えているのでしょうか?????

クラス35人すべての子供の「理科の自由研究」を仕上げて「発表会する」なんてことが、できると思っているのでしょうか????実施不可能な勉強を教科書に載せて、いったい何の意味があるのでしょうか????

せいぜい、教科書を1回読んで「できる人は、夏休みの宿題でがんばってこいよ!!」で終わりでしょう。

一人の教師が一斉授業で「暗記させる」「計算技能を習得させる」ことは、そんなに難しくありません。しかし、一人一人に対応しなくてはいけない「課題解決能力」をクラス全員に身につけさせることは、とてつもなく難しいのです。

私は「教育改革」が、より一層の「教育格差」を生むと考えます。どうしてか???「大学入学希望者学力評価テスト(仮称)」が「公立学校」で十分に伸ばしていける内容ではないからです。

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